理想の人間関係
Vol.8 2016 弥生 理想の人間関係
女の子の成長と幸せを願う「桃の節句」。
小さなお嬢さんがいらっしゃるお宅は雛飾りを出してお祝いしますね。
わたしの実家(千葉)では、向かって右に女雛、向かって左が男雛でした。
某「ケンミンショー」的には、地方によって、左右の配置が異なるのですよね?
皆さまのお宅は左右どちらですか?
でもこの桃の節句(ひなまつり)、バレンタイン、ハロウィン、クリスマス等、イベント化が進んだ行事と比べると、規模や意味合いにおいて、やや存在が弱くなってきている気がします。
そんななか、形骸化してきた「桃の節句」の原点を教えてくれるお菓子、
日本人のDNAを呼び覚ましてくれるお菓子、
でもイタリアの香りがするお菓子!!と出逢いました。
イタリアの大理石モザイクと日本の歳時記を併せてご紹介する「SALUT歳時記」に相応しい、運命の出逢いです。
3月3日までの限定商品。
(これを読んでくださっている頃には、もう・・・・ごめんなさい)お菓子の箱には手折った桃の枝(本物!)が添えられています。
この箱を目にしただけで、人々が文のやりとりで豊かに心通わせていた古(いにしえ)の時代の日本にタイムスリップです。
そして、箱を開けると中には・・・やや長い黒文字?が一本。
たねやさんによれば、これは、『一膳のお箸』なのだとか。
雛人形や雛道具、ひなまつりに飾る品々はどれも幼な子の幸せを願う気持ちに溢れたものですが、そのむかしは女の子の手先が器用になるようにと、雛飾りに『一膳のお箸』を添えたそうです。
その由来を知った途端、箱の中の黒文字が魔法のお箸に見えてきた!日本のゆかしい歳時を引き継いでいきたい、という気持ちを新たにさせて下さったたねやさんの心憎い和の演出に手を合わせるわたしたち。
あれ、でも、お菓子の名前は「オリーブ大福」。
大福の中にオリーブの実?生地にオリーブオイルを練り込んだ?!
いえいえ。淡い桃色(限定商品)の小ぶりな大福に、こともあろうにエメラルドグリーン色のエクストラバージン・オリーブオイルをたら~りとかけるのです!
この取り合わせ、味の想像がつきますか?
わたしたちは、年齢と経験を重ねるとともに知識が豊かになり、「これはこういう味。○には×を合わせる」という固定概念が形成されます。
それは、自己防衛のために欠かせない術でもあります。
でも、「白こし餡を粗搗きの餅で包んだ大福」×「搾りたてのエクストラバージン・オリーブオイル」の組み合わせは、あなたの固定概念を嬉しく破ります(笑)。
ほのかに塩味を含んだ粗挽きの大福の食感とこし餡の優しい甘味、鼻に抜ける爽やかなオリーブオイルの香り。それぞれが完成した味でありながら、一緒になることによってお互いの良さが一層引き立つ。「人間関係もこうありたい」なんて・・・大袈裟な表現もおかしくありません。
異色かつ理想の関係を優しく見守っているSALUTトレイは、これまでご紹介してきた中でもとりわけ淡い色合い。
春に向かう気持ちに沿う大理石を選びました。
木々の芽吹きを感じさせるグリーンをメインに、ベイビーブルー、無垢な白、淡い黄色。黄味を帯びた飴色の枠と相まって、軽快な一枚となりました。
「山笑う」。
一日一日、日差しが柔らかくなり、木々や花々が芽吹いていきます。
五感を研ぎ澄ませ、耳で、目で、鼻で、肌で、そして舌で!春を感じましょう。
★モザイクトレイ : bottega MOSAICI by Studio Mosaico
Commented by Megumi
Tray & Photos by Tomoko
Selected & Supervised by Mihoko