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人生における選択


Vol.15 2016 神無月 ​人生における選択

柑子、桧枝、紫紺、鳥の子、深支子、路考茶、牡丹鼠、萌葱・・・なんのことか解りますか?日本の伝統色名。色の名前です。

「紫」を表すにも、青紫、スミレ色、桔梗色、紫苑色、藤色、古代紫、京紫、江戸紫、濃色、薄色・・・と豊かとしか言いようのないバリエーションを持ちます。江戸時代には「48茶、100鼠」と言われ、48種類の茶色と100種類の鼠色が存在したそう!

日本人は古来から繊細な色の世界を見出し、その豊かな情趣を愛でてきました。歴史の流れの中でつけられた和の色は、名前も美しく風雅。視覚的に色を伝えることのできる映像の普及に伴って色名で色を伝える必要性が減り、いまとなっては残念ながら愛おしい色名たちは廃れていますが、色辞典を眺めているだけでも、昔の日本人の豊かな感性が伝わってきます。

そんな風雅な伝統色の名前がつけられたお菓子があります。

HIGASHIYAさんの「ひと口果子」。洗練された和モダンな店内に整然と並ぶお菓子の様子は、美術館に並ぶ芸術品のようです。

直径3cmにも満たない小さなお菓子は、ひとつひとつ違う名前をもち、ひとつひとつ味も素材も食感も異なります。

餡の中に何か入っているものもあれば、入っていないものもある。かくしてまた、「選べない」症候群に(笑)。

私たちは日々、小さなことから大きなことまで、じつに多くの「選択」をしていますね。

なにげなく「こっち」と選んだものも、選択したつもりがなくても、右と左では行く末が大きく違ってきます。

まるで高速道路の分岐のような。あみだくじのような。

そう、だから、どのお菓子を選ぶかは将来の自分に係ってくる重要な選択。(ん?)

秋色SALUTトレイに使っている大理石にも、ひとつひとつ素敵なイタリア語の色名がついています。

Rosa Iran、Giallo Noce、Nero Marquinia、Rosso Laguna・・・。どの色にしようか、と石を選ぶのも「人生の選択」。選んだ石を使った作品を長らく自分の手元に置くのですから。​毎日の選択の積み重ねが将来の自分を作る、そう思うと身の回りにおくもの、身に着けるもの、口にするもの、共に過ごす仲間に至るまで、大切に選択したいと改めて思います。

★鉄燭台:鍛冶屋自在鋼房

★和ろうそく:大森和蝋燭屋

★モザイクトレイ:bottega MOSAICI by STUDIO MOSAICO


Selected & Commented by Megumi

Photos by Tomoko

Tray & Supervised by Mihoko

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